はな・hana~お花の時間「枯山水」
令和 4年 12月2日 『はな・hana』 放送内容
<京都の紅葉>
【枯山水】
・日本庭園の様式の一つ。水を使うことなく、砂利や石だけで山水風景を表現した庭園。
・禅宗の寺院の庭を中心に発展、仏教的な世界観・宇宙観を表現し心落ち着かせる空間。
<龍安寺>
<圓光寺>
・枯山水の歴史
元々、池泉庭園の中で水がない部分を指す言葉で、平安時代の『作庭記』に初登場しました。
室町時代の応仁の乱以降は、大きな池泉庭園をつくることのできる権力者がいなくなり、寺院などの小さなスペースに、水を引くこともなく作れる庭園として増加していきました。
枯山水を構成するもの
<石>
島を表現するために石が置かれます。
石を置く際には、『龍安寺』に組まれている「七五三石組」のように石組が組まれ、「三尊石組(さんぞんせきぐみ)」、滝の流れを表現する「滝石組(たきいわぐみ)」など様々な石組が。
<砂利>
水面を表現するために敷き詰められます。
砂利の表面には、水が波立っている様子などが砂紋によって描かれます。
=砂紋(箒目)とは=
砂に描かれた模様のことをいいます。砂紋は、波や渦など水の動きを表しています。石や砂だけで水風景を表現する庭園なので非常に重要です。穏やかな流れ・大きな波・うねり・渦巻き、市松模様など、悟りや心理、世界観や宇宙観を表し、質素と静寂、清らかで澄み渡った侘び・寂びの美意識を伝えます。砂紋を清掃することは心を清めることに通じるとされ、禅を学ぶ僧侶が美しく整えます。
<苔>
枯山水庭園では、石を置く場所に苔が生やされることもあります。
苔の緑と石を組み合わせることで、自然の島により近い見栄えになります。
<その他>
方丈・・・禅寺の住職が住む中心的建物。
堀(塀)・・・多くは、粘土を打ち固めた壁の上に瓦やこけらを葺いた築地塀が使われており低めに造られています。絵に例えると額縁のような存在、庭を際立たせる効果。
借景・・・庭と遠方の山などの風景を組み合わせ、自然に溶け込んだ景観を造ります。