2020-12-30

はな・hana~お花の時間「ツバキ」「門松の話」

令和 2年 12月18日 『はな・hana』 放送内容

【ツバキ】  ツバキ科 光沢のある濃い緑の葉。

サザンカ

*「ツバキ」と☝「サザンカ」の違い

「サザンカ」は花びらが1枚ずつ散る。雄しべの根元が広がっていて、筒状ではない。

「ツバキ」は花ごと散る。雄しべの根元がつながっていて、筒状になっている。

<名前の由来>

厚みのある葉「あつば木」 艶やかな葉「艶葉木(つやばき)」光沢のある葉「つやき」 などなど。

<ツバキの種類>

ツバキの種類は世界に約5000種あるといわれ、品種改良は現在でも進んでいます。

開花時期・・・おもな品種は冬から春に咲く 11月〜翌年2月頃 ・ 3月〜4月 

バラが咲き出す頃まで咲いている遅咲き品種もあります。

また、秋の初め9月〜10月に咲き始める品種もあります。

つまり品種を変えれば9月~翌年5月まで、約9か月も花を楽しむことができます。

花の形・・・一重咲きには 猪口咲き、キキョウ咲き、抱え咲き、筒咲き、椀咲きラッパ咲きなど。

ボリューム感のある豪華な 八重咲き、レンゲ咲き、獅子咲き、千重咲きなど個性的な花形が豊富に揃っています。

<ツバキの歴史>

・古くから親しまれたツバキは、江戸時代、徳川2代将軍の秀忠により大きく発展をします。

秀忠はツバキをこよなく愛し、江戸城内にツバキの樹園を作りました。

諸大名がツバキを持ち帰り広めたことから、日本各地に特徴のあるツバキが見られるように。

京都の「上方ツバキ」 熊本の「肥後ツバキ」 名古屋の「尾張ツバキ」 など。

地域性のある品種群が広がりました。

・江戸ツバキは鎖国時代に長崎の出島から海外にも運び出され、ヨーロッパでも絶賛。

イギリスでは「まるでバラのような存在感のある」と造園デザインにも積極的に利用されました。

<観賞だけではなく>

・「椿油」は、ツバキの種子を圧搾して油分を取り出す製法がよく知られています。

伊豆大島の「椿油」は食用、灯用、薬用、化粧用と様々に使われ、江戸時代には髪の手入れのために広く使われるようになりました。

今でも、ヘアオイルや食用油などに使われています。

【門松の話】  年神様への目印の役割・・・ご先祖様が年神様となって各家庭に訪れる

平安時代頃、門松を飾り年神様を迎える風習が生まれたと言われています。

 *年神様は、五穀豊穣と1年間の幸福をもたらす神様。

<松>

当初は松などの常緑樹を庭先に1本立てて神様の依代(よりしろ)(神様が宿る場所)としていたよう。

松などの常緑樹は一年中枯れないことから、「不老長寿の象徴」とされてきました。

室町時代に門の前に松を飾る風習が生まれ、江戸時代頃に門松を2対にして置く形に。

<竹>

門松に竹が用いられるようになったのは鎌倉時代頃からと言われていています。

竹は成長が早いことから「生命力や繁栄の象徴」として長寿を願い加えられるようになりました。

節目を作りながらまっすぐ天に向かって成長する竹のように、強くたくましい人生を願うことも。

3本の竹の長さは3:5:7の比率になるように作られ、2で割り切れないことで縁起が良い数と。

<葉牡丹>

葉が紅白になることや、葉が幾重にも重なることから、「吉事が重なる縁起物」とされています。

葉牡丹は、高価で手に入れられなかった牡丹の代用とされ、見た目が似ていて安価だったこともあり、庶民の間で普及することとなったと言われています。

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