はな・hana~お花の時間「お香・お線香の話」
令和 2年 11月6日 『はな・hana』 放送内容
【お香・お線香の話】
≪お線香≫ 棒状にしたお香
「杉線香(墓参り用)」と「匂い線香(仏壇用など)」大別できます。
「杉線香」・・・杉の葉を乾燥し粉末にしたものを原料にして煙の多い杉特有の匂いがする。
「匂い線香」・・・タブ粉を原料に各種の香木・香料を調合し香りを加えてつくられます。
一般家庭では長さ約14cm、寺院などでは60cmを超えるものも。
断面は丸状・角状のものがあります。
現在では、住宅事情などもあって、けむりの少ないお線香に需要が移ってきています。
*室内香(お香)の形も様々で、スティック状、コーン型、うずまき型などがあります。
*日本で最も多くのお香・お線香を生産しているのは兵庫県で、特に「淡路島」。
淡路島のお香・お線香の生産量は、日本国内の生産量の約70%以上を占めています。
=「お香」は用途によって二種類に分けられ、仏供養の儀式用と、香を楽しむ趣味用があります=
お香は様々な種類の原料の調合によってつくられます。
一般的なものは、基礎の原料はタブ(椨)粉といって、タブの木の樹皮を粉末にしたものです。
これを水で練りダンゴ状にし、匂いつけの香料を混ぜます。香料は植物性・動物性に大別されます。
<基材>
「タブ(椨)粉」・・・タブの木はクスノキ科の常緑高木で別名「イヌグス」。
日本では高温多湿の南九州にで生産。この木の樹皮を粉にし、ほとんど無臭で香木・香料を添加しても香りを損なわず水分を加えると粘りも出るため、つなぎの役割として使われます。
「炭粉末」・・・木炭等をパウダー状にしたもの。煙の少ないお香の基材として使用。
<香料>
=植物性(香木)=
ヂンコウ(沈香)・・・ジンチョウゲ科の常緑高木。
キャラ(伽羅)・・・沈香の一種、その最上品が「伽羅」として考えられ非常に貴重なもの。
ビャクダン(白檀)・・・ビャクダン科の半寄生常緑高木。インド・マイソール州の白檀が最高品質とされ「老山白檀(ロウザンビャクダン」と呼ばれている。
香料のほか、仏像や扇子、念珠等の原材料としても使用されている。
=動物性香料=
ジャコウ(麝香)・・・中国雲南地方・四川省やチベットに生息する雄のジャコウジカからとれる皮を乾かしたもの。一頭で約30gしか採取できず、非常に高価。
竜涎香(リュウゼンコウ)・・・マッコウクジラの腸内に発生した病的結石と考えられる異物を乾燥させたもの。